「それアルゴリズムで解決できますよ」ビジネスサイドも参加するPKSHA Conferenceで交わされた対話とは
全社・全職種横断イベント「PKSHA Conference」ではプロダクトやソリューション、ビジネスサイドのことなど様々な内容のセッションが様々な所属の人から発表されます。どのセッションを聞きに行くかは参加者の自由。そこではセッション終わりにディスカッション時間も設けられ、自由に対話をすることができます。
PKSHAグループが目指すVision「人とソフトウエアの共進化」の実現に向けた現在地をお届けするマガジン『PKSHA ナラティブ』。
2023年2月に行われた「PKSHA Conference」第2回目のプレゼンターとして参加した3人に話を聞きました。
PKSHA Conference(パークシャ カンファレンス)とは
PKSHA Technology(以下、PKSHA)のグループ会社含む全社・全職種横の社内イベント。PKSHAグループのプロダクトやLayer(レイヤー)※、チームを横断した共進化の促進を目的とし、2022年秋に第1回目が開催されました。第1回目のテーマ「R&D成果の事業化による価値創出、技術者間での相互交流や知見の共有を通じた成長の場を提供」を踏襲しつつ、第2回目が2023年2月17日に開催されました。
第2回目は、3トラックを並行しつつ合計18のセッションが行われ、常時120~150人が参加しました。PKSHA Conferenceで大きなテーマとなっているのは「共進化」。共進化とは「密接な関係を持つ複数の種が、互いに影響し合いながら進化すること」。PKSHAは人やソフトウエア、組織、社会など様々な関係性で共進化していくことが、未来のソフトウエアを成し人の不完全さや、社会の課題を解決し、人と共に進化することを目指しています。
PKSHAの課題や技術を紹介する
—— みなさんが登壇することになった経緯を教えてください。
近藤:以前朝会というPKSHA全員が参加する毎週月曜朝の30分の会で発表したことがあって、その時の発表内容がすごい面白かったみたいで、その内容をもっと聞きたいから話してみないかと事務局の方からオファーを受けたことがきっかけです。
花塚:僕はPKSHA Conferenceには運営スタッフとして参加してたのですが、日頃からPKSHAの中でデザインのプレゼンスを高めたいと思っていたこともあり、運営もやりつつ登壇もやってみようと思い立候補しました。
深澤:上司のエンジニアリングマネージャーから勧められたのがきっかけです。アルゴリズムエンジニアの仕事を知ってもらう良い機会になるし、これまで関わったことがない方とも発表をきっかけに一緒に何かをやる機会が増えたらいいなと思い、ぜひやりますとなりました。
—— 自身のセッション内容について詳しく教えてください。
近藤:私は「チャットボットの課題」について話をしました。機械学習によって、弊社のチャットボットはほぼ90%正しい回答が出せますが、企業側が考えた回答をチャットボットでお客様に出しても、お客様の満足度は半分程度になっている実情があります。その満足度を上げるためにはどうしたらいいのかを話しました。
—— 正しい回答を出せても満足度が低くなるんですか?
近藤:はい。例えば、「商品をキャンセルしたら返金されますか?」という質問があります。それに対して、チャットボットが返す回答は「キャンセルは可能です。返金には日数を要することもあります」と設定されていたりします。しかし、お客様が本当に欲しい情報は「返金まで何日かかるのか?」「返金されない場合には、どこに連絡すればいいのか?」という不安を解消してくれる情報です。どうしてもコールセンターの現場にいるとお客様の心が見えにくくなってしまうもの。チャットボットでいただいたお客様の声を分析し、チャットボットを改善する必要があります。
—— 花塚さんはいかがでしょうか?
花塚:一緒にプロダクト開発を行っているアルゴリズムエンジニアの横山さんと「AI SaaSとUXデザイン」をテーマに発表しました。横山さんとは日々、AIとUXはどのように連携していくべきか? という点を議論しているのですが、その内容を、今回のPKSHA Conferenceで私がデザイン観点で説明しつつ、横山さんがアルゴリズムエンジニア観点で発表しました。
一般的にSaaS製品のUX改善は、製品を出した後にテストを行い、ユーザーが想定通り使っているかをテストしていきながら体験向上させていくフローだと思われますが、AI SaaSではそこにもう一軸「アルゴリズム」が加わります。ユーザーの利用が進めばデータが蓄積され、そのデータを活用してアルゴリズム精度が高くなりUX向上に繋がっていくというアプローチです。その2つの視点を持ちながらUXを向上させていく設計にするにはどうすればいいかを話しました。
—— なるほど、アルゴリズムの動きもコントロールしてユーザー体験を向上させていくんですね。では深澤さんはいかがでしょうか?
深澤:アルゴリズム・エンジニア以外の職種の方々に向けて、アルゴリズムの概要をつかんでいただくためのチュートリアルセッションを開催しました。PKSHAには、予測最適化(PO)、自然言語処理 (NLP)、動画像 (CV) といったPKSHAの競争力の源泉となっているアルゴリズム技術があります。その中で私が専門にしてるのが予測最適化なので、予測最適化について「予測とはなにか?」「最適化とはなにか?」という説明を踏まえて、どんなクライアントとどんなアルゴリズムを作っているかを話しました。
自ら発信したことで起こった変化とは
—— 社内からはどのような反響がありましたか?
近藤:チャットボットに関しては、すぐさま「正しい回答ではあるが、お客様が満足しない回答はアルゴリズムで見つけられますよ」という申し出をもらいました。今実装に向けて動いています。人が介在して手を入れなければいけないと思っていただけに、話をしてよかったですね。
花塚:デザインの話は想像以上にみなさん興味があったみたいで、アンケートの評判もよかったと聞いてます。社内のデザインへの関心の高さを実感できました。また、普段の業務ではなかなか関わりのない方々から「デザインの話を相談させて欲しい」「壁打ちさせて欲しい」といった相談が来るようになりました。
深澤:私も登壇の後のディスカッションの場で、普段あまり関わらないビジネスサイドの方から「実際にこういう課題があるけれど、どう解決できそうか?」という質問を受けました。2、3人からそういった質問をもらって、それに対して回答をする、という感じで対話を重ねることができて、相互理解が深まるのを感じました。他にも「画像解析ならばこんな手法や技術がある」という意見をもらったり、自分の専門領域ではない話を聞くことができて面白かったですし、私自身も非常に勉強になりました。
—— 発表をしたこと課題解決に繋がったり、これまで交流のなかった人とコラボレーションするきっかけになったんですね。
PKSHA Conference登壇を経て
—— 今後の自身の業務ではどんなことに力を入れていきたいですか?
近藤:エンジニアだったりビジネスサイドだったり、いろんな立場があると思うんですが、同じプロダクトを作る人同士で近い距離で対話し合える関係性を作っていきたいですね。組織が大きくなると色々と距離が出てしまいがちなので。今はPKSHA Conferenceの効果もあって、距離は近いなと思ってます。プロダクトチームだけだと、アルゴリズムの知識がない場合はお客さまから聞いた内容がアルゴリズムで解決できるのかできないのか想像すらできなかったりします。なのでそういう時に気軽に相談できる近い距離でいる、そういう関係性を普段から作っていくというとこに力を入れたいです。
花塚:会社全体のデザインのナレッジや教養をもっと上げていきたいと思っています。PKSHAの技術力に加えて、デザイン力でより高いユーザー体験を実現したいと思っています。提供できる体験デザインの質は技術力に比例し、技術力が高ければ、よりよい体験ができるはずだと私は思っています。そのためにもアルゴリズムとデザインがどのようななめらかな体験を提供できるだろうか、という視点を大事にしたいです。
深澤:PKSHAは社内勉強会が多く、知的好奇心が高い方が集まってます。新しいことを積極的に吸収していこうという姿勢が強く、そういった方といろいろな視点で学べるのは楽しいです。私自身も学んだこと活かしてより良いアルゴリズムを作ることへ活かしていきたいです。
近藤:本当、未来志向のメンバーが多いですよね。昨今ではChatGPTが出ていますが、それをすぐに使えるよう整備されて、「どんなソリューションができるか?」を議論したりと活発に話をしています。それに、部門間を越えてみんな助け合う文化があるのが良いと思ってます。知識を持ち寄って、エネルギーを持って部署関係なく動いてくれるメンバーが多いですね。
INFORMATION
PKSHA Technologyでは、ともにはたらく仲間を募集しています。Wantedlyや採用サイトから応募が可能ですので、是非ご覧ください!
▼採用職種一覧
https://hrmos.co/pages/pkshatech/jobs
▼Wantedlyはこちら
https://www.wantedly.com/companies/pksha_technology