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いまPKSHAが捉えている「未来のソフトウエア」と“共進化”

PKSHAグループが目指すVision「人とソフトウエアの共進化」の実現に向けた現在地をお届けするマガジン『PKSHA ナラティブ』。

この記事では、PKSHAグループが目指すMission「未来のソフトウエアを形にする」/Vision「人とソフトウエアの共進化」について、

  • なぜ「未来のソフトウエアを形にする」必要があるのか?

  • 未来のソフトウエアが必要だとしたら、それはどのようなものか?

  • 各事業をなぜ展開しているのか? また、“共進化”とどう関係しているのか?

という問いに対して、現時点での考えをお伝えできればと思います。

なお本記事では、プロダクトマーケティングマネジャー(PMM)を務める丸川が業務推進にあたりグループ代表・上野山を中心に事業責任者たちと対話を繰り返しながら整理した文書をベースにお届けしていきます。

丸川 貴弘 │ プロダクトマーケティングマネジャー(PMM)
慶應義塾大学、桑沢デザイン研究所を卒業。複数社でSaaS企業の製品開発やマーケティング組織の立ち上げ、製品グロースを推進し、PKSHAにジョイン。現在はSaaSのPdMに加え、全社のブランディングやマーケティング施策の企画などに従事している。

1.未来のソフトウエアの役割

近年、テクノロジーの進歩するスピードが速度を増していく中で、あらゆる産業にソフトウエアが組み込まれ、社会に及ぼす影響も増大しています。そして、この影響は「ソフトウエアがどのような形をしているか」によって左右され、人々に対して、良い作用も悪い作用も生み出し、社会を形作っていきます。

Software is eating the world(ソフトウエアが社会を飲み込む)
次の10年間で、さらに、AIがソフトウエアに組み込まれると我々は考える

マーク・アンドリーセン氏が2011年に発言した「software is eating the world(ソフトウエアが社会を飲み込む)」は、ここまでの変化を端的に表現しており、そして、次の10年間で、AIがソフトウエアに組み込まれ、社会実装される段階を本格的に迎えるようになると我々は考えています。

PKSHA Technology社のミッション

こうした中で、PKSHAでは、これからの社会において必要となる「ソフトウエアの形」を問い、実装していくことをMissionに掲げています。
それは、人の不完全さや、社会の課題を解決し、人と共に進化する「未来のソフトウエア」です。


2.これまでのソフトウエアは、どんな形をしていたか?

「未来のソフトウエア」を考えるために、これまでのソフトウエアがどのように動き、役割を担っていたいのか理解する必要があります。

これまでのソフトウエアはどのような形をしていたのでしょうか?

その多くは、四則演算をしながら、あらかじめ既定された形で動く静的なソフトウエアでした。
静的なソフトウエアは、社会における効率化や生産性を向上させ、企業や組織を成長させてきました。

一方、社会が変化する中で、静的なソフトウエアの課題も顕になり始めました。それは、あらかじめ既定された流れでしか動かないため、社会や企業、組織、人々の変化や成長に対応するには、新たな形を既定し、再構築する必要がある点です。
近年、テクノロジーが加速度的に発展し、ソフトウエアと社会が複雑に融合する中で、静的なソフトウエアの再構築が間に合わず、その歪みが人々に負の影響を及ぼすケースも出てくるようになりました。
例えば、企業で使われるシステムが年月と共にレガシー化し、人や組織の動きを逆に既定化してしまう事例です。

3.「未来のソフトウエア」はどのような形であるべきか? 

それでは、こうした静的なソフトウエアの課題を補い、これからの社会をより良くする「未来のソフトウエア」はどんな形をしているのでしょうか?

この一つのVisioinとして、PKSHAが考えるのが、「人と共進化するソフトウエア」です。

PKSHA Technology社のビジョン

「人と共進化するソフトウエア」とは、これからの社会において、拡大や成長だけではなく、人と動的な平衡を保ち、持続的で、多様性を受け入れることができるソフトウエアです。

より具体的な例として、「機械学習を有したソフトウエア」があります。
「機械学習を有したソフトウエア」は利用者から得た情報を学習し、回答精度等の価値へつなげる機能を持っています。
つまり、人と動的な平衡を保ちながら入力された情報を受け取り、精度向上という効果へ変換できるソフトウエアなのです。

ソフトウエアと社会がコインの裏と表のように表裏一体となっていく中で、PKSHAはこうした「人と共進化するソフトウエア」を形にし、個性や人との違い(Δ:デルタ、差分)が価値となり、多様性の輝く社会が実現できると考えています。

3-1.PKSHAが捉える“共進化”

共進化の本来の定義は、「密接な関係を持つ複数の種が、互いに影響し合いながら進化すること」を指します。
PKSHAではこれを生物に限定せず、人やソフトウエア、組織、社会など様々な関係性で使います。

共進化の要素としては、複数の対象が、動的な平衡状態を保ち、互いに作用し合う、すなわち共に進化する関係です。そして、どのような進化を生むかは対象とその環境に影響されます。

また、「共進化とは何であり、何でないか?」を理解するときには、静的な世界観と動的な世界観を比較するとイメージが掴みやすくなります。

静的な世界観と動的な世界観を比較

共進化の構造は、PKSHAの各事業や組織運営、バリューにとっても重要な考え方となっています。

4.PKSHAの“共進化”する事業・組織構造

というのも、PKSHAは「未来のソフトウエア」を社会実装するために、共進化する3つのレイヤーの組織構造を持っています。

社会課題の解決に向けてAI・アルゴリズムやソフトウエアを社会実装しようとすると、対象があまりにも巨大で複雑である事実に直面します。

そのため、PKSHAでは捉える対象を分解し、

【Layer 0】
アルゴリズムの研究開発を行うR&D

AI Solution【Layer 1】
クライアント企業との企業共創から業界の課題を解決するソフトウエアを社会実装する

AI  SaaS【Layer 2】
業界・産業の共通課題をスピーディに解決するソフトウエアを社会実装する

とレイヤーごとに事業を展開しています。

それぞれの事業・組織がそれぞれの対象と共進化を生み、社内でも各レイヤーの組織同士が呼応することで、PKSHAは日々、未来のソフトウエアを社会実装しています。

各レイヤーの組織同士が呼応することでソフトウエアを社会実装する

5.社会実装を担うAI SolutionとAI SaaS、各事業がどのように共進化を捉えるか?

5-1. AI Solution【Layer 1】の捉える共進化

AI Solutioin【Layer 1】では、クライアント企業のビジネスモデルに深く関わる課題をAIで解決し、企業共創しながら、その中で業界課題を解決するソフトウエアをPKSHA AI Solutionとしてライセンス販売しています。

社会にソフトウエアが組み込まれる中での変化と課題

過去に最適化された企業のオペレーションや事業モデルをAIや最新のテクノロジーから刷新し、新しい価値を生み出すことで、日本企業の競争力を高め、日本社会全体をより良くすることを目指しています。

5-2. AI SaaS【Layer 2】の捉える共進化

AI SaaS【Layer 2】では、業務課題を解決するAIが実装されたソフトウエアをサブスクリプション課金で提供しています。これまで、アルゴリズム実装にかかっていた時間を短縮し、業務課題を解決するAIをスピーディに導入することができます。
AI SaaSが現在、注力する業務領域として、PKSHA Communication社が担うカスタマーサクセス市場とPKSHA Workplace社が担うエンプロイーサクセス市場があります。

5-2-1.PKSHA Communicationの捉える共進化

企業と顧客のつながりは、デジタル技術の進化に伴い、従来の店舗・電話から、ウェブサイト、チャット、ビデオ通話、IoTデバイスなど多様化が進み拡張し続けています。

一方で、顧客が自ら適切なチャネルを選択し、自分にとって最適な情報・課題解決手段・担当者にたどり着くことが日に日に複雑になっており、同時に企業側も、拡大した顧客のチャネルに対応するために莫大な人員やコストを必要としてます。

企業が顧客との接点を独立した点ではなく、連続した線として最適にマネジメントできるようになれば、顧客はパーソナライズされた体験からサービスや企業についての理解を深め、能動的に最適な関わりを見出すことができるようになります。

また企業側も、顧客の振る舞いやフィードバックを事業やサービスの改善に生かすことで、より高い付加価値を顧客に提供することができるようになるでしょう。

実際に、中国など海外では、カリスマカスタマーサポートが顧客から直接指名されて収益やリテンションに大きく貢献するといった事例も出てきており、顧客と企業のΔ(差分)をマッチングし、活かすソフトウエアなど様々な技術が求められています。

カスタマーサクセス市場に向き合うPKSHA Communicationでは、企業で働く人と生活者の体験をより良いものにするために、企業と生活者が互いに理解を深め、より良いつながりを持つために最適な体験を生み出す「未来のソフトウエア」を形にします。

5-2-2.PKSHA Workplaceの捉える共進化

これまで企業で導入が進んだソフトウエアの多くは、経営資源を管理・最適化するERPや会計などの業務システムなどが中心で、企業活動の管理、効率化がデジタル化における競争優位性の中心でした。
しかし、近年はデジタル化における競争優位性がエンプロイーエクスペリエンス(EX)の向上など、企業活動におけるデジタル化の対象はより“働く人”へと広がりを見せています。

二律背反とされてきた人間性と生産性の両立ですが、人と共進化するソフトウエアが形となれば、実現できると考えています。
これからは、ソフトウエアが対話を通じて人間性を理解し、従業員の処理能力を拡張していく。そして、従業員はソフトウエアを使って、想いや才能を活かした働き方にフォーカスできるようになります。

エンプロイーサクセス市場に向き合うPKSHA Workplaceでは、企業で働く人の多様な意思や才能を如何なく発揮できる、新しいコミュニケーションを創造するために、対話を通じて人間性を理解し、従業員の能力を拡張する「未来のソフトウエア」を形にします。

5.「人とソフトウエアの共進化」を探求し続ける


直感的なコミュニケーションによって
人とソフトウエアが意思疎通し、

共に学び合っていく未来。

人と人のあいだに
高度なソフトウエアが介在することで、

誰もがなめらかな"つながり"を
紡いでいける未来。

そして、一人一人の違い(Δ)が、
価値として輝いていく未来。

そんな“未来”を創っていくために、私たちPKSHAは研究開発と社会実装の循環を回しながら、「人とソフトウエアの共進化」を日々探求し続けています。


今後も、「人とソフトウエアの共進化」を目指すうえでの様々な取り組みについて当マガジン「PKSHA ナラティブ」で発信していきますので、よければぜひフォローよろしくお願いします!


INFORMATION

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執筆:丸川貴弘
編集:鈴木洋佑
撮影:尾木司