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「手と口と頭を動かし続けよう」AIテックカンパニーで新卒が成長する要は「情報をシェアして組織のハブになること」だった

2023年4月3日、AIソリューションやAI SaaSの開発提供を行うPKSHAグループで11期下期総会と23年度卒の入社式が行なわれました。そのとき、代表・上野山の思いつきで急遽始まったのが、先輩社員から新卒メンバーに向けてトークをするパネルディスカッションです。

パネルディスカッションは、「社会人は学生より100倍くらい面白いので、PKSHAに入社したみなさんにも面白く感じてほしい」という上野山のメッセージからスタート。そのための方法として「運動神経」と「面白がる力」の2つのキーワードが示されました。

その後、PKSHA Technology(以下、PKSHA)に入社して1〜3年目のメンバーを紹介。新卒採用担当者の内藤とエンジニアの林と呉が、2つのキーワードを実践するための方法を語りました。

上野山が新卒メンバーに伝えた2つのキーワードの内容とは。また、それに関連して3人は何を語ったのでしょうか。

PKSHAグループが目指すVision「人とソフトウエアの共進化」の実現に向けた現在地をお届けするマガジン『PKSHA ナラティブ』

この記事では、当日の様子を振り返りながら、人とは異なる才能を持つメンバーと共進化を遂げるために、3人はどんな思いで働いているのかに迫ります。

内藤 汐美 人事本部採用チーム 新卒採用担当
大学卒業後、ITエンジニア学生のヘッドハンティングをしながら様々な就活イベントの企画運営に携わる。2016年にヤフー株式会社へ転職し、年間300人を超える新卒エンジニア採用と技術広報を担当。昨年12月からPKSHAにて、エンジニアの新卒採用立ち上げに奮闘している。

林 良祐 AI Solution事業本部 ソフトウエアエンジニア
大学院博士課程(東京大学大学院理学系研究科化学専攻)では超短パルスレーザーと金属の相互作用について研究する。
2022年4月にPKSHA Technologyにソフトウェアエンジニアとして新卒入社し、現在はGoでのバックエンド開発や、Flutterアプリ開発、Next.jsでのフロントエンド開発に従事している。

呉 孟超 AI Solution事業本部 アルゴリズムエンジニア
大学院博士課程(東京大学大学院理学系研究科物理学専攻)では相転移の理論的制約について研究する。
2020年4月にPKSHA Technologyにアルゴリズムエンジニアとして新卒入社し、現在は画像認識に関する論文の執筆、および画像認識、予測最適化、自然言語処理の技術を用いたアルゴリズム構築に従事している。

「運動神経」と「面白がる力」があれば、社会人は100倍くらい面白い

—— はじめに、みなさんがグループディスカッションに参加した経緯を教えてください。

林:入社式の直前に、社長から「このあとパネルディスカッションをするから、登壇してくれませんか?」と突然言われましたよね。

呉:そうですね。今回のように、社長の思いつきで面白いことが始まるのはよくあることです。

内藤:「新卒メンバーに向けて」ということで、新卒で入社したエンジニアの林さんと呉さんに声がかかったんですよね。当日、上野山さんが「林くんはパネルディスカッションの内容も聞かずに『やります!』と1秒で即答した」と言っていたのが印象的でした。

林:一発芸をさせられるなど、社長が無茶振りしないことはわかっていたので。信頼関係があったので即答したんですよ。何より、昨年入社した新卒2年目の立場として、何かヒントになりそうなことを話せればいいなと思いました。

呉:私も同じ気持ちです。入社してからこれまで特定の領域に限定せず、いろいろな領域で開発を進めてきました。その経験をもとに、新卒メンバーに伝えられることがあればなと。

内藤:こういう思いを持った、新卒のエンジニア2人が登壇するのは自然なことだと思います。そこに、まさか私も参加するとは思いませんでした。ただ、せっかく大勢の前に立てる機会なので、全社員に新卒採用担当者としての想いをお話しできればと思い、お引き受けしたんです。

新卒メンバーに「今後どうなってほしいか」を伝えるだけでなく、今後も新卒採用を強化していく上で、PKSHAグループの全社員に「PKSHAの求める人物像」を私の口からお話しすることは意味があると考えました。


11期下期総会でのパネルディスカッションの様子

—— 当日は上野山さんから、社会人生活を面白くするための方法として「運動神経」と「面白がる力」のお話があったと聞きました。

林:運動神経については、社会人になった瞬間にゲームのルールが変わって、「頭の良さ」よりも「運動神経」の勝負になるんだと。

社長曰く、学生時代の受験や研究などでは頭のよさで点数が付けられて勝負が決まる一方、開発を含む仕事では「有限時間内に最適なアクションを発想して実行する力」が求められるそうです。

内藤:開発やクライアントへの提案など、何かしらアクションしないと世の中は変わりません。だから、「有限時間内にどんなアクションが最大の成果を生むか?」に頭を使うべきだと。

ただし、「思考するよりも大事なのはアクションすること」だと言われました。何かを作り出すのは異分野をうまく組み合わせることですが、人間の脳よりも世の中のほうが複雑なのでアクションが重要であって。だからこそ、まずは運動神経(作り×動くこと)を磨いてくださいね、と。

呉:「面白がる力を育んでほしい」とも言っていましたよね。今後、世の中がますます変わっていくなかで、未知のことを面白がったり試したりする力の価値は上がり続けているからです。また、面白いものを作ったり未来をつくったりする人は、基本的に面白がっているそうです。

内藤:「運動神経」と「面白がる力」があれば社会は面白くなる。だからこそ、その2つを実践するための方法を、私たち3人がお話しすることになりました。

主体的に動くことで、自分の可能性を広げていく

—— ここからは、パネルディスカッションのテーマを深堀りしていきたいと思います。社会人になってから成長したなと思う成功体験を教えてください。

内藤:自分が出せる最大限の運動神経を使って大勢のエンジニアさんと出会い、自信がついたことですね。

私は2022年12月、3社目となるPKSHAに中途入社しました。新卒時代は10人規模のベンチャー企業でエンジニアをスカウトする立場にいて、学生エンジニアさんを発掘していました。ただ、文系出身でエンジニアについての知識は皆無。しかも、自分以外に対応できる人がほぼいない状況で、とにかく手と口と頭を動かすしかなくて。

月の半分は出張に行って全国の学校をまわったり、Twitterアカウントを作成して話しかけたりと、優秀な学生エンジニアさんと出会えそうなことはすべて試し、数千人くらいの学生さんと出会えました。

呉:数千人も会ったんですか?

内藤:はい。そうした経験のおかげでエンジニアの知見やデータが蓄積されて自信がつき、今ここにいるんじゃないかなと思います。当時、行動したおかげで林さんとも出会えたんです。

林:10年くらい前、僕が大学2〜3年生のときにTwitterで声をかけてもらいましたよね。大学卒業後は博士課程に進み、22年度卒でPKSHAに入社して、ソフトウェアエンジニアとして働いています。

内藤:PKSHAグループの事業には、先端情報技術の研究を行い事業の土台となっている「Layer0」、個別のクライアントを支援し、課題解決のためのAIソリューションを提供する「Layer1」、Layer1で生まれるようなAIソリューションをSaaSプロダクトという形で社会に実装し、人々の生活を変えるような価値を提供していくことを目指す「Layer2」の3階層の概念があります。林さんが働いているのはLayer1ですよね。

林:そうです。成功体験といえるのは今年2月、半年くらい主体的に取り組んできたチームのプロジェクトで、部署内の月間MVPをいただいたことです。

エンジニア8人で1つのプロダクトをつくるために、関係者と製品の仕様や進め方などを相談したり、技術選定から開発までメインで担当したりしました。その経験をとおして、自分にできることの幅が広がったように感じています。

内藤:林さんと同じく、呉さんも博士課程を修了してから新卒で入社されていますよね。呉さんが入社されたのは何年前ですか? 

呉:3年前です。入社後はLayer1のアルゴリズムエンジニアとして、画像系の案件をメインに自然言語処理(NLP)やLayer0のR&Dにも携わっています。

成功体験としては、画像認識プロジェクトで「こうしたほうがいい」と積極的に自分の意見を出してメンバーと意見交換しながら開発を進め、推論コストを半分にしたことです。クライアントから想像以上に喜ばれ、「精度を上げる以外の部分でも喜んでもらえるんだ」と視野が広がりましたね。

一方、失敗体験からトラブル時の対応方法を学ぶこともできました。

林:呉さんでも失敗することがあるんですね。

呉:はい。以前、私一人で対応しなければいけない現場で、担当者と些細なコミュニケーションのミスが発生しまして。そのとき、PKSHAのメンバーとミーティングをすぐに開いて対応策を考えたおかげで、最終的にはノーダメージで終わることができたんです。

その経験から、一人きりで対処しようとせず、すぐに相談してダメージを最小限にすることを学びました。また、PKSHAには、相談したらきちんと対応してくれる環境があることも実感できましたね。

「頭と身体の使い方の工夫」と「社内での情報集め」で運動神経を磨いていく

—— 上野山さんからは「運動神経を磨く」というお話もありました。そのために日々、心がけていることはありますか。

林:「自分がうまく働ける頭と身体の使い方」を見つけるようにしています。同じ仕事をするにしても、短時間でテキパキと終わらせるのが得意な人もいれば、じっくりと長い時間をかけて取り組むのが得意な人もいるでしょう。私はどちらかといえば後者で、体力でカバーしながら走り切るのが得意なタイプです。

そんなふうに誰しも得意な頭と身体の使い方があると思うので、まずはそれを見つけること。そうすれば、最大の成果を生むアクションを起こしやすくなるのかなと。

呉:たしかに、そうですね。私は頭と身体を同時に動かすことも意識しています。考えているだけでは前に進まないので、完成に向かって手を動かしつつ、さらにより良い開発ができる方法がないか考え続けているんです。たとえば、時間をかけて開発すべき部分を見極めたり、無駄を省いて開発スピードを上げたりすることなどを考えています。

内藤:なぜ、そうしているんですか?

呉:指示されたことだけをするだけでは、私たちエンジニアの価値は出しきれないかなと思うので。持ち前の価値を最大限発揮できるように、エンジニアの観点から思いつくことはどんどんやっていきたいんですよね。

内藤:なるほど。私は社内で情報集めをしていますね。PKSHAでは『Slack』内の「times」と呼ばれる機能を使い、個人スペースや雑談部屋でメンバーが分単位で好きなことを自由につぶやく文化があります。

私はおそらく、全員の個人スペースに入っているんじゃないかなと。また、大きな案件や技術系の雑談部屋などにも入って、社内で起こっていることを常にキャッチアップするようにしています。

林:言われてみると、いろいろ場所で内藤さんを見かけます。PKSHAのtimesは誰でも発言しやすいオープンな場所で、個人スペースだけでなく、案件の雑談部屋などにも鍵はかかっていません。だから、案件のメンバーじゃなくても気軽に発言できる雰囲気がありますよね。

内藤:はい。たとえ何か発言しなくても、みんなの発言を眺めているだけで、誰が何に関心があって、どんなことが得意なのかが見えてきます。すると、必要なタイミングで「これは私がやっておきましょうか」「こうしたらどうですか?」と声をかけやすくなるんです。

すると、みんなにも「内藤は◯◯に興味があるから話しかけてくるんだ」「内藤は□□が得意なんだ」と私の関心事や得意分野が伝わりやすくなる。その結果、採用や広報にまつわる情報が私のもとに集まりやすくなるだろうと考えました。

そのように情報集めをすると、チームや部署を越境して相談しやすくなるだけではなく、行動するのに必要な情報を手に入れやすくなります。

手と口と頭を動かし続け、情報をシェアして組織のハブとなる

—— 続いて、PKSHAで成長する人は、どんな人だと思いますか?

内藤:全社にいろいろな情報をシェアして、みんなを巻き込んでいく人です。PKSHAには、お互いが持つプロフェッショナルな部分を学び合う文化があります。その学び合ったことを自分のチーム内だけではなく、ほかの部署や事業部などにもシェアして巻き込んでいくことが大切だなと。というのも、Layer0〜2まで事業階層の概念があるPKSHAでは、今後ますますレイヤー間の連携が必要になるからです。そのとき、組織の“ハブ”となって越境し、異なる分野をつなげて新しいものをつくり出せる人は活躍できるでしょう。

PKSHAは大学の研究室とは異なる研究アプローチを採用しています。
「“異分野 - 境界” 分野をまたぐ」という、異分野の「境界」に潜む「新たな知の発見」を
大切にしています。

林:たしかに社内で活躍している人は全社的に知り合いが多いし、みんなに自分の仕事内容や強みが伝わりやすいですよね。

内藤:そういうポジションにいれば、面白い案件がどんどん集まってきて、PKSHAライフを思いっきり楽しめるはずです。

PKSHAでは自分の所属するチームに閉じこもるのではなく、あえて普段の業務では関わらないような人とも積極的に対話しようとする文化があります。そうすることで、メンバー同士が共進化することを目指しているんです。呉さんも部署を越境して、いろいろな案件に携わっていますよね。

呉:はい。入社当時は画像系の案件がメインでしたが、1年後、ほかの技術分野にも積極的に参加するようになりました。挑戦してみたら予想以上に面白くて、技術領域やクライアントとの対話などの部分で、勉強になることがたくさんありましたね。また、R&Dにも挑戦しています。

内藤:その結果、呉さんが関わった画像認識技術「gSwin」に関する論文が「ICASSP(※)」に採択されましたよね。林さんは、PKSHAでうまく成長するにはどうすればいいと思いますか? 

※ 信号処理技術や音声処理技術を中心に幅広い分野を扱う、世界最大規模の国際学術会議の一つ
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000097.000022705.html

林:とにかく手と口と頭を動かすことかなと。仕事に慣れていない入社1年目は、わからないことだらけです。だからこそ、手と口と頭を動かして試行錯誤していく。私自身、実際にそうしてみたところ、仕事のコツや要領を掴めるようになって、成長につながることを実感しました。とりあえず「やります!」と言ってから行動すれば大抵なんとかなりますし、失敗しても挽回できる時間的な余裕がある環境下で開発できるので、思いっきりチャレンジできます。

意見を出して議論し合い、メンバーと共進化していく

—— PKSHAライフを楽しむためには、どうすればいいのでしょうか?

呉:社内でのコミュニケーション量を増やすことだと思います。timesをたくさん使って、お互いの興味関心やできることを伝え合うようにする。そうすれば、興味のある案件の話を聞きやすくなったり、技術的な知見を共有しやすくなったりするでしょう。

林:そうやって、新卒メンバーにもコミュニケーションの輪をどんどん広げていってもらいたいですよね。

総会の日は、新卒向けに各部署の発表があって、それぞれの最後に「興味があったら話を聞きに来てください!」と呼びかけていました。その言葉は社交辞令ではなく、PKSHAのみんなは「いろいろな人と関わりたい」と本気で思っています。だからこそ、新卒メンバーも興味ある部署の人にどんどん話しかけるなどして、積極的に交流してほしいなと。

また、社内のいろいろな人と議論することも楽しんでもらえればと思います。

呉:PKSHAは、相手が誰であっても自分の意見をぶつけて議論できる雰囲気がありますよね。入社して間もない頃に参加したミーティングのタイトルに『呉さんに教えを請う会』と付けられたときにその文化を実感しました(笑)。新入社員かどうかに関係なく、自分の意見を受け入れてくれる会社なんだなと感じました。

内藤:PKSHAでは、自分と他者との違いを「デルタ(Δ)」と呼んでいます。異なる専門性が組み合わさることで価値につながると考えているため、デルタを楽しむことを大切にしているんです。

林:新卒でも中途でも、議論するメンバーの一人として迎え入れてくれますよね。だからこそ、誰かに言われたことで「それは違う」と思ったら、その意見を伝えてどんどん議論していってほしいなと。そうすることで、全体がよくなっていくと思うので。

内藤:面白いメンバーがたくさんいますし、最先端の技術にも触れられるPKSHAの環境を最大限に活かしてほしいですね。

現在、LLM(大規模言語モデル)をベースにした「ChatGPT」などが、世の中で注目を浴びていますが、PKSHAでは10年くらい前から自然言語処理の第一人者と協力し、チャットボットのプロダクト開発やR&Dの研究開発に取り組んでいます。このような恵まれた環境を活かし、いろいろなメンバーとコミュニケーションして自主的に行動していけば、気づいたらPKSHAライフが楽しくなっていると思います!

—— 最後に、PKSHAに興味を持つ求職者の方へメッセージをお願いします。

林:PKSHAは自分のやりたいことができて、言いたいことも言える面白い会社です。みんな好きなことを自由に言うので、それを楽しめそうな方や楽しみたい方とぜひ一緒に働きたいなと思っています。

呉:デルタ(Δ)を楽しむことを大切にするPKSHAには、ユニークなメンバーが揃っています。その環境で、これまで隠し持っていた「人とは異なる才能」を発揮したい方がいれば、ぜひ一緒に働きたいです。また、一人ひとりにチャレンジの場がたくさん用意されているので、自分を試すことに面白さを感じる方にも向いている会社だと思います。

内藤:PKSHAでは、「未来のソフトウエアを形にする」というミッションと「人とソフトウエアの共進化」というビジョンに共感したメンバーが働いています。技術そのものが好きなだけではなく、その技術を「世の中に出したい」「社会実装したい」と考えるメンバーばかりです。業界的にも今一番面白いフェーズだと思うので、メンバー同士で共進化することで楽しく働きたい、よりよい未来をつくっていきたいと考える方と、ぜひ一緒に働きたいですね。


INFORMATION

PKSHA Technologyでは、ともにはたらく仲間を募集しています。Wantedlyや採用サイトから応募が可能ですので、是非ご覧ください!

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取材・執筆:流石 香織
編集:編集チーム
撮影:国府田 利光