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ロジックの正しさが優先される合理的な環境で、アルゴリズムの社会実装に挑む

「未来のソフトウェアを形にする」をミッションに掲げ、業界を横断したAIソリューションの提供や事業開発に挑むPKSHA Technology(パークシャテクノロジー、以下PKSHA)。

2018年にアルゴリズムエンジニアとして入社した稲原 宗能(いなはら むねよし)さんは、「PKSHAは自由度が高く、お客様に最適なソリューションを提供できる環境です」と語ります。そんな稲原さんに、この会社ならではの魅力や今後の可能性について聞きました。

稲原 宗能(AI Solution 事業本部 アルゴリズムリード)
東京大学でゲームAI/強化学習を主に研究。新卒で日本IBMに入社後、WatsonやNLPを用いたプロジェクトなど幅広く参画し、その後PKSHAにジョイン。日本語LLMの学習、音声合成モデルの開発、PKSHA要約モジュールの開発、PKSHA LLMsの開発、PKSHA Voicebot立ち上げと、事業のコアとなるさまざまなプロジェクトに従事。

お客様に最適なソリューションを提供したくてPKSHAに転職

――PKSHA Technologyに入社する前のキャリアについて教えてください。

東京大学でゲームAIとNLP(自然言語処理)を研究テーマとする鶴岡慶雅教授の研究室に所属し、主にリアルタイムストラテジーと呼ばれるジャンルのゲームAIの強化学習を研究していました。当時はディープラーニングが出てきた頃だったのですが、「IBM Watson」がアメリカの人気クイズ番組で歴代王者に圧勝したというニュースが話題になったんです。それがきっかけでIBMに興味を持ち、新卒でIBMに入社しました。

入社後はエンジニアとして、自社のクラウドを使ったインフラ構築のみならず、グリッド・コンピューティング、ハイパフォーマンス・コンピューティングを用いた特殊なインフラ構築も手がけました。その後Watson事業部に異動となり、人工知能を本格的に商用利用するためのプロジェクトにも参画しました。

――IBM Watson事業部でキャリアを積む選択肢もあったと思うのですが、転職をしようと思ったきっかけは何ですか。
 
IBMは外資系企業なので、自分でアルゴリズム開発をしたり、オープンソースソフトウェアを使ってお客様に最適なソリューションを作ったりすることが良しとされず、海外の拠点で開発されたAPIを利用することが求められていました。

しかし、APIは万能ではありません。特定のモデルを使えばうまくいくとわかるケースでも使用が認められず、結果としてお客様にとって一番良いソリューションを提供できないこともありました。最適なものを作りたいのに、それをさせてもらえない環境にフラストレーションを感じるようになって、転職を決意したのです。

 
――2018年にPKSHAに入社されたそうですが、PKSHAを選んだ決め手は何でしたか。

私がゲームAIや機械学習に詳しく、IBM Watsonで人工知能をベースにしたソリューションを提供していることを知る学生時代の友人がPKSHAで働いており、「もっと自由度高く開発をしたいならうちにこないか」と誘ってくれたんです。

当時のPKSHAは上場したばかりで知名度は低く、IBMと比較すると会社規模も非常に小さかったので、不安がなかったとはいえません。しかし、給与面もさほど見劣りしませんでしたし、何より面白そうだったんです。APIの縛りといったしがらみがなく、お客様の話を聞いて最適なソリューションを提供できる環境に魅力を感じました。

テクノロジーでコアとなる課題を解決し、社会にインパクトを与える

――PKSHAに入社してから現在までのポジションや業務内容を教えてください。

入社後は、アルゴリズムエンジニアとしてアルゴリズムソリューション事業本部に所属しました。SIP(Session Initiation Protocol)という音声通話の制御を行うプロトコルに関する知識を評価され、「PKSHA Voicebot」の立ち上げに携わったのが最初の仕事です。

当初は私ともうひとりだけで開発をしていましたが、その後メンバーも増えて大きなチームになり、PKSHA Voicebotの収益性が徐々に高まり、やがてPKSHAの柱となるプロダクトに成長しました。いまは私の手を離れていますが、非常にインパクトのあるプロジェクトに初期から携われたことは感慨深いですね。

現在は、2022年に提供を開始した、AI音声書き起こし・分析ができる「PKSHA Speech Insight」というプロダクトの要約機能のコアとなる部分を開発しています。、極めて精度の高い要約機能を備えた、現時点で日本一といっても過言ではないモデルを開発し、デプロイしつつある状況です。

――本当に、PKSHAの要となる仕事をたくさんされてきたのですね。稲原さんは課題解決に貢献するものをつくりだす感度がとても高いと感じるのですが、どのような意識で取り組んでいるのかお聞かせいただけますか。

私は昔から物事を突き詰めて考えることが多く、世の中のさまざまなニーズを逆算してコアとなる課題に気づくのが早いのだと思います。

実は高校時代には生物学に興味があったのですが、当時、アメリカのフューチャリストであるレイ・カーツワイル氏が提唱した「収穫加速の法則」(※イノベーションが加速することでテクノロジーが指数関数的に進歩するという経験則)が話題になっていました。

当時からAIはシンギュラリティを起点に加速度的に進化を遂げるだろうと予測されており、生物学よりも人間の文化そのものを指数関数的に発展させられるテクノロジーにベットしたほうがインパクトが大きくなりそうだと感じたのが、この道を選んだ理由です。

課題解決のために心掛けているのは、テクニックが生まれた段階で、自分でいろいろ試してみることです。そのテクニックがもたらす影響や問題点を検証することによって、どういう使われ方をすると社会的に価値が大きくなるのか、今後発生しうる問題点は何かといったことを整理でき、先回りして対処できるようになります。

ロジックの正しさが優先される、合理的なカルチャー

――PKSHAのメンバーやカルチャーに対して感じていることを教えてください。

PKSHAのメンバーは非常に優秀で、技術レベルも高いです。少し話しただけで私の意図を汲み取って理解してくれるので、話がとても通じやすく、建設的な議論ができます。コミュニケーションのストレスがなく働けるので楽しいですね。

カルチャーはかなり合理的で、立場やしがらみよりも、ロジックの正しさが優先されます。素直に正しいことをしていればどんどん良いものができ、それが評価されていくため、仕事に集中できます。

ここ数年でPKSHAの規模はかなり大きくなりましたが、ビジネスのスピード感は上場間もない頃と比べてほとんど変わっていません。一般的に、会社規模が大きくなればなるほど意思決定までの時間が長くなりますが、PKSHAはそういったことがなく、各自がスピード感を維持してパフォーマンスを発揮できています。

――PKSHAの技術力、開発力に対してはどのように感じていますか。

エンジニアは高いレベルのコードを書ける状態で入社してくるので、メンタリングに時間をかけなくても安心して仕事を任せられます。論文も書けて、アカデミックな情報をキャッチアップし、それをスムーズに社会実装できる技術レベルのメンバーも多いです。

先ほど、ロジックが正しければ良いアウトプットができるカルチャーがあると話しましたが、それに加えて高い水準の技術力があるからこそ、スピード感のある社会実装ができます。そのサイクルがPKSHAの価値の源泉になっているのではないでしょうか。

求めるのは未来を見据えて共に高めあえるエンジニア

――転職を検討している人に「PKSHAだからできること」を教えてください。

外資系企業は開発の拠点が海外にあることが多いですが、PKSHAはそれが日本にあり、アルゴリズムのコア機能の開発に注力できるのが魅力です。社会実装という点においても、お客様に最適なAIソリューションを一から考えて提供できます。直接社会に価値を届けられる環境は、PKSHAならではといえるでしょう。

――稲原さんがAIについて想像している“未来”を教えてください。

昨今のトレンドである大規模言語モデルは、おそらくもうこれ以上巨大にはならないと私は考えています。計算量は今の規模で抑えつつ、性能を上げていくことが今後重視されていくのではないでしょうか。誰もが使える、小さくて効率的な道具として、AIを開発するのが次のスタンダードになるかもしれません。

PKSHAがパーソナルアシスタント的な事業に踏み込んでいくかどうかはわかりませんが、現在も人と人のコミュニケーションの質を高め、強化することを事業の軸にしているので、より賢くなっていくAIをいかに効率よく組み込んでいくかに焦点を当てて事業展開をしていくだろうと個人的には考えています。

――共に働きたい人材像について教えてください。

大前提として、自発的にやるべきことを考えられるマインドがあり、正しいロジックで説明ができて、円滑にコミュニケーションが取れる人を求めています。そのうえで、高い水準の開発スキルを持ち、必要十分なコードを書けて、機械学習、特にNLP分野でアカデミックな知識があることが望ましいです。

いろいろと条件を並べてしまいましたが、世界トップレベルの人材を要求しているわけではありません。アルゴリズムエンジニアとしてやるべきことができる、やるべきことをやりたいというマインドとスキルセットさえあれば、足りない部分はサポートするので、自信をもってチャレンジしてください。

未来を見据えて、共に高めあっていけるエンジニアの方からの応募をお待ちしています。

―INFORMATION―
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