文化をテクノロジーで創る、PKSHAの事業開発の面白さ
「未来のソフトウェアを形にする」をミッションに掲げ、業界を横断したAIソリューションの提供や事業開発に挑むPKSHA Technology(パークシャテクノロジー、以下PKSHA)。
数々のコンサルティング・ファームやベンチャー企業で重ねた経験を活かし、PKSHAのAI Solutionsチームの事業責任者の一人として活躍する佐野 長紀さんは、PKSHAならば「テクノロジーの力で文化をつくれる」と感じたと語ります。未来を基軸とした価値提供に挑むPKSHAで、佐野さんが携わるプロジェクトと、そこから得られる醍醐味について聞きました。
未来を面白く語るCEOの姿が、転職意欲を掻き立てた
――前職までのキャリアや、印象的な経験を教えてください。
PKSHA転職までに5社を経験してきました。これまでの経緯を総じて振り返れば、ベンチャー企業とコンサルティング・ファームでの経験が多いです。
大学卒業後はIT系のコンサルティング・ファームに入社しましたが、システムインテグレーションは自身に不向きだと感じ、早々に事業開発を軸とするベンチャー企業へと転職しています。そこで環境省と博報堂とタッグを組み、「クールビズ」の概念を世に普及するプロジェクトに携わったことが印象に残っています。当時「エコは儲からない」というイメージが先行していたところに「クールビズ」を提案することで「クールビズ(エコ)=かっこいい」という文化を生み出し、アパレル市場を中心にインパクトを与える成果を出せました。
この経験を通じて、決められた要件に従うのではなく、自ら発想し、未来の文化を創るような仕事がしたいのだと知りました。そのため、以降の転職でも先端の概念や技術に触れ、時代が変わる瞬間に立ち会えるような職場を選んできたように思います。
――PKSHAを選んだ理由も、そういった先端性を感じたからなのでしょうか。
じつは当時、それほど転職する意欲はありませんでした。PKSHAがコンサルティング経験者を求めていると知人から紹介を受けて、上野山(CEO)と話してみたことが転職のきっかけです。AIの先端性に惹かれたというよりは、「これだけ未来を面白く語る人のもとで働きたい」と思ったことのほうが、転職の決意につながりました。
コミュニケーションやマーケティングの力で文化を生み出す経験は今までの職場でもできたけれど、今度はテクノロジーで文化を生み出すことができるかもしれない。そんな期待を抱きながら、PKSHAに入社しました。
各業界や社会の未来を変える不正検知ソリューションの提供
――入社後の仕事内容について教えてください。
まず、PKSHA にはAI SaaSとAI Solutionという二つの事業があり、私は後者に所属しながら、PKSHA Securityというソリューションブランド、業界としては保険業界、技術領域としては自然言語や予測最適化領域に関わるプロジェクトを扱うことが多いです。
PKSHA Securityには「クレジットカードの不正検知」、「保険の不正請求の検知」、「人が傷つくコミュニケーションの検知」という3つの柱があります。“Security”という大きな傘の下にまとめてはいるものの、不正検知というものは一つの方法で解決できるほど単純ではないということを痛感する日々です。
――それぞれの柱について、具体的な事例をお聞かせください。
クレジットカードの不正利用については、新しい悪用の手口が次々と増えるので、それらの手口を捉え続け、決済時に未然に防がなければなりません。人力のみでは限界があったこの課題に人のオペレーションと連携するAIを提供することで、新たな不正が出てきても短期で対応できるようになり、検知数は飛躍的に増えました。
一方保険の不正請求の場合、提供価値が少し異なります。保険の場合は100%不正だと判断できなければ請求フローを止めることができないため、得られたデータから“怪しさ”を数値化し、請求者とやりとりするオペレーターが適切なコミュニケーションを取れるよう支援します。というのも、怪しいこととその理由さえわかれば、オペレーターが踏み込んだ質問をして、不正請求を目論む人を事前に断念させることができるからです。
人が傷つくコミュニケーションの検知については、自然言語領域の技術がおおいに活用されています。具体な事例として、マッチングアプリの不正投稿監視システムを挙げます。ユーザー同士のコミュニケーションで発生する誹謗中傷を確認することに、これまで運営側は莫大な労力を割いていました。私たちはこの課題に対し、規約に反する投稿を自動検知して最終確認だけ人が行うAIを提供し、現場の確認業務を8割減らすことに成功しました。ちなみに、私たちの監視AIは規約に違反する言葉や文章だけでなく、その網をかいくぐろうとする隠語や婉曲的な表現も検知するなど、高い精度を実現しています。
こうした事例からもわかるように、私たちはAIソリューションを人の代替として提供しているわけではありません。人とAIが学び合い、共に賢くなる「共進化」という概念のもと、双方が持つ強みを組み合わせ、より良い方法を導きだすことをめざしています。そのためには高い技術力が求められますから、優秀なエンジニアが多いPKSHAだからこそ、こうしたソリューション提供を実現できていると思います。
――さまざまな事例を挙げていただきましたが、直近で特に注力したいことはありますか。
クレジットカードの不正検知についてはニーズが高く、すでに市場の半分近くを取ることに成功しており、今後も引き続きその拡大をめざしています。
そのほか注力していきたい領域としては、自然言語を通じたコミュニケーションの監視が挙げられます。先ほどマッチングアプリを例に挙げましたが、このほかにも人々が誹謗中傷に晒されてしまう場はSNSなど多岐にわたります。スマートフォンの普及と共に若年層のSNS利用が増えていることや、社内コミュニケーションを通じて心的疲労を重ねてしまうビジネスパーソンが多いことも、これと併せて懸念すべきことです。社会におけるあらゆるコミュニケーションの「負」をソリューションで解消していくことは、極めて重要なテーマだと考えています。
業界・技術それぞれの観点で感じるAIソリューションの将来性
――佐野さんはAlgoNaut(※)の代表取締役を務めるなど、事業責任者の枠を超えて保険業界に踏み込んでいるようですが、それについてはいかがでしょうか。
(※)2020年11月、東京海上ホールディングス株式会社との合弁会社として設立。データ活用による事業創出を推進。
じつは、これまでのキャリアで保険業界の仕事に携わったことはほとんどありません。AlgoNautについても、東京海上ホールディングスとのプロジェクトを担当し、合弁会社設立に向けた準備を担当した縁もあり、私が上野山と共同代表に就任した形です。
初めての経験ではありつつ、実際にやってみて「保険は面白い」と感じました。今の保険はお金を支払って加入するものですが、将来的に保険はサービスに溶け込むことでインフラ化していくことが予想されており、AIやソフトウエアと極めて親和性が高いものだと考えられます。加えて、保険はあらゆる業界と接点を持っているので、保険を軸に日本の全業界とつながっていくような展望も持っています。
PKSHAはAIを提供する会社ではありますが、今後はお客様のアセットを組み合わせてサービスを作る動きも増えていくかもしれません。保険ならば、AIと保険を組み合わせてひとつの商品を売り出す、というイメージですね。こうした新しい価値を生み出していけることにも、個人的には面白さを感じています。
――技術的には自然言語領域のプロジェクトを扱うことが多いとのことですが、その背景を教えてください。
私が入社したころ、PKSHAの技術開発チームは「動画像」、「予測最適化」、「自然言語」に分かれていました。私は言葉がAIでサポートされる世界には劇的な進化が起こるはずだと思ったので、まず自然言語領域に挑戦しました。
一方で、自然言語領域はビジネスとして取り組む難しさもありました。自然言語処理技術はテキストデータを要約したり文脈を読み取ったりする技術ですが、これは人間が脳内で処理していることなので、AIに求められる技術的な難易度は他領域と比べて一層高くなりますし、当時は精度を考えるとなぜ「あえてAIでやるのか」という問いの答えも一見してわかりづらいものでした。
こうした難しさに対するひとつの答えとして、先に挙げたマッチングアプリにおける不正投稿検知の成功事例は、一種のブレイクスルーとなりました。人とAIがどのように役割を分担すればお客様への価値提供につながるのか、その可能性が見えてきたと思います。
未来を創る“総合格闘技”にBizの力を求む
――改めてPKSHAのどのようなところに魅力を感じますか。
一言では語れませんが、何年か先の未来を自分たちで創っていきたいと考えているメンバーが多いことは、PKSHAの独自性であり、大きな魅力です。
お客様が今向き合っている課題を解決することももちろん大切ですが、私たちは「業界全体がもっとこういうふうに進化していったらいいね」という妄想をいつも巡らせていて、それを実現するためにお客様とやりとりしていることが多いように感じます。
いわゆるAIカンパニーの多くは、「新しい技術を使って何かやりましょう」という切り口で物事を考えますが、PKSHAは「新しい未来はこうなるはずだから、そこに対して古い技術も新しい技術も使っていこう」という姿勢で臨んでいます。この軸の置き方に共感できる方は、きっとPKSHAで活躍できるでしょう。
――PKSHAだからこそ経験できることを、候補者に向けて伝えてください。
PKSHAが何か新しい経験を提供するというよりも、PKSHAは候補者の方々自身がやりたいことを実現できる可能性が高い環境だと伝えたいです。
例えば、自分が持つソリューションのスキルをプロダクトづくりに活かしたいと考えるメンバーや、買収した会社の代表になってその会社のバリューを高めているメンバー、あるいは私のようにジョイントベンチャーを作って、お客様のアセットを活かした新しい商品づくりに臨む人間もいます。
こうしたそれぞれの想いややりたいことを代表の上野山が直接聞く機会が多いことも、PKSHAの魅力かもしれません。アクションに対する積極性があれば、評価されていく環境です。
――最後に、候補者の方々に向けてメッセージをお願いします。
PKSHAはどことなく謎めいていて、「ハイレベルな技術者集団」といった印象が根強い会社かもしれません。しかし、実際に技術を社会に組み込んでいくためには、戦略、オペレーション、デザインといったあらゆる領域のスキルが必要で、メンバー全員がスキルを出し合って挑む“総合格闘技”をしているようなものです。ですから、皆さんが培ってきた経験やスキルは、必ずどこかで求められます。
デジタルやテクノロジーに関心があり、未来を敏感に感じ取っていける方であれば大歓迎です。もちろん、コンサルティングやデジタルに関するバックグラウンドがあれば即戦力になりますが、それよりも、熱いスタートアップマインドを抱き、好奇心を燃やして挑んでいただけることのほうが重要です。
「Bizの人間はPKSHAでは活躍できないだろう」などと決めつけず、ぜひ門を叩いてください。
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