AI TECH GUILD に弊社の代表取締役とアルゴリズムリードが登壇します
AI TECH GUILD とは、現役の AI エンジニアや AI エンジニアをめざす方々に役立つ情報をお届けするセミナーシリーズです。今回は、第 4 弾として【自然言語処理 研究開発 最前線】最新 NLP 技術を用いた”人と機械の対話”の現在と未来をテーマに PKSHA Technology とクリーク・アンド・リバー社との共催イベントとして開催します。
当日は代表取締役の上野山(@KatsuyaUenoyama)と、とアルゴリズムリードの稲原が登壇します。本記事では、当日の発表をより多くの人に見てもらえるよう、登壇内容について簡単に説明します。
登壇内容について簡単なご紹介
当日登壇予定の Algorithm Solution 事業部アルゴリズムリードの稲原です。
私は PKSHA Technology のアルゴリズムリードとして、PKSHA Voicebot の立ち上げ、感情認識技術、生成型要約技術、音声合成システム、検索型生成システム、弊社独自の事前学習モデルの研究開発など様々な製品とソリューションの社会実装と R&D のリードをしてきました。
PKSHA と自然言語処理の関わり方
PKSHA Technology は自然言語処理を用いた AI SaaS 製品とソリューションを提供しており、その二つを両輪とした研究開発を行うことで技術を磨き込んでいます。例えば、弊社には通常の Transformer より効率的な最新のアルゴリズムを用いた要約技術の研究開発プロジェクトがあるのですが、こういったプロジェクトはソリューションのプロジェクトとして単独でも成立しますが、そこで得た成果の一部を製品に利用することで製品の一機能として長大な対話履歴から自動で回答や要約を生成するという新機能を追加することができます。
弊社ではこのようにそれぞれの技術が単なる 1 つのソリューションとして完結せず、製品を通してより多くの顧客に使用してもらうことでフィードバックをいただき、さらに技術を磨き込めるというループが成立しています。
また、GAFA などの巨大企業では実際に B2B の環境で運用するには困難な大きさのモデルを研究開発することが多いのですが、弊社における研究開発は B2B のソリューションが出発点となることが多く、限られた運用費や厳しいレスポンス速度の要求の中でいかに最大の効果を発揮するかという点により重点を置いた研究開発をしています。時には構文解析やルールベースなどの泥臭いソリューションも交えながら、顧客への価値を最大化するにはどうすべきかという点についてあらゆる手段を用いてプロジェクトに取り組んでいます。
自然言語処理を用いた人と機械の対話
あまり知られていないかもしれませんが、PKSHA Technology には自然言語処理を用いた製品が複数存在し、すでに国内の数多くの企業に導入されています。主要な自然言語処理のサービスは以下の 3 つの製品です。
月間 1 億アクセスを超える FAQ 構築システムの PKSHA FAQ(OKBIZ for FAQ)
累計 3 億回の対話を実行してきたチャットボットの PKSHA Chatbot(Bedore Coversation)
月間数十万コールの電話を代行する音声電話自動応答の PKSHA Voicebot(Bedore Voice)
これらの製品は自然言語処理技術によってお客様と機械の間を繋ぐことで、応答の自動化や顧客体験を高めることを実現しています。当日はこれらの製品やソリューションが具体的にどのように顧客に価値をもたらしてきたかについて、詳しくお話しできればと思います。
本来、経験豊富な人間でなければ判断ができないような部分に自然言語処理を用いて人と機械が繋がることで、何十種類もの Q&A を自動で処理することが可能になります。さらに、適切に情報を抽出することで人手を介さず、テキストや音声のデータベースと連携して情報を提供することや、住所や名前などの情報入力・照会を自動応答で済ますことができます。それによって、コールセンターのオペレーターの作業を軽減することができます。
最先端の大規模言語モデルで出来ること
近年、BERT などの大規模言語モデルの発展が素晴らしく、弊社でも多くの取り組みがなされています。
例えば、文章を類似度などを計算するためにベクトルへ変換する文ベクトル化のタスクでは、ある程度意味まで考慮した上でベクトル化することができるようになり、ベクトル検索の精度も大幅に向上させることができるようになりました。これにより、弊社では顧客データで分類器を学習させるのではなく、ベクトル検索によるマッチングを行うことにより学習なしで実用的な精度での文章の分類を行うことが可能になりました。
最近では、OpenAI や GAFA などの研究所を中心に GPT-3 や T5 などの文章の生成に特化した大規模言語モデルが研究されており、文章やトークンの分類だけではなく、文章を用いて要約や対話を行うモデルが実用レベルになってきています。弊社でも生成型の大規模言語モデルへの取り組みは進んでおり、特に Retrieval Augmented Generation(RAG) などの検索と文章生成を組み合わせた技術の研究開発と社会実装を進めているところです。この技術を応用することで、FAQ はないがマニュアルだけはある、というお客様でもマニュアルを検索しそれを読んだ上で回答を生成するといったことが可能になります。
ここで挙げた事例はほんの一例ですが、PKSHA Technology はソリューションの提供と研究開発を両輪で行うことで事業を拡大してきました。そして、さまざまな企業のお悩みを自然言語処理技術によって解決し、得た知見をある程度一般化して AI SaaS 製品を提供することでより多くのお客様に使っていただくというループを成立させることができています。
皆様がご存知の先端技術を社会実装するには、さまざまなリアルで泥臭いチャレンジも存在します。そういった面も含め、ここで書ききれなかったより詳しい内容については当日お話しできればと思いますので、少しでもご興味を持った方は是非イベント申し込みをしていただければと思います。
対象聴衆
自然言語処理の社会実装や、最先端の研究開発に興味がある方