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PKSHA の QA 業務を語りつくす!QA チーム座談会

AI SaaS を事業の主軸とし、業務自動化ソフトウエアや FAQ 作成、チャットボット、業務自動化といったエンタープライズ AI SaaS・デスクトップアプリを展開する PKSHA グループ。各製品を扱うグループ会社には、それぞれ QA(Quality Assurance、品質保証)を担うチームが存在します。今回は各チームから 4 名のメンバーを呼び、PKSHA の QA 業務や転職ストーリーなどを語ってもらいました。それぞれの立場から描かれる QA の魅力に迫ります。

■対談メンバー■
金子昌永(PKSHA Workplace, QA Central)
車載機器の組込みソフトウエア開発者としてキャリアをスタート。その後、医療機器ソフトウエア開発手法の改善をリードする経験を経て、AI SaaS に舞台を変えて、品質に貢献したいと考え 2022 年11 月に PKSHA へ入社。QA の文化・仕組み作りや自動テストを推進する。

谷村有里子(PKSHA Workplace, QA Central)
第三者検証企業にて QA のキャリアをスタート。様々な常駐先企業で QA 業務を行う中で、自社サービスを持っている企業の QA として働き続けたいという思いが生まれ PKSHA へ入社。テスト設計を主に担当中。

桜本高志(PKSHA Associates, QA Engineer)
2 社目で SIer に入社し、そこでプログラミングやテストに関する業務に初めて触れる。その後テストに関する知見を深めるために第三者検証の会社に入社し、テストの自動化業務や QA 業務に携わる。その後 Asirrera (現 PKSHA Associates)に入社。唯一の品質管理担当としてテスト計画から実施までの一連の流れを担当。

石川雄介(PKSHA Communication プロダクト本部 開発部 QA グループ)
SES 事業の会社にてエンジニアとしてキャリアをスタート。その後、エンジニアとしての経験を活かし OKWAVE へ転職。以来 OKBIZ.(現 PKSHA FAQ)の仕様設計、受入検証を中心に活動。品質管理チームの立ち上げを経験。

PKSHAの多彩な製品の品質保証を一手に担う、QA チームの全貌

―― PKSHA の QA チームは、どんな仕事をするチームなのでしょうか。
金子:私たち QA チームは PKSHA の各製品の品質を保証する役割を担っています。主な業務は、各製品のテストです。リリース前の製品が目標の品質になっているかどうか、実際に動かして確かめます。そのほかには、そもそも問題が起こらないようにする、あるいはより早く問題を発見するための改善にも携わります。それらの仕事は、エンジニアやプロダクトマネージャー、カスタマーサクセスのメンバーと連携しながら進めます。お客様からいただいたフィードバックなどの情報を日々集めることも、私たちが担う業務のひとつです。

――具体的な業務内容やチーム構成は、扱う製品によって異なるのでしょうか。
谷村:今回集まったメンバーは PKSHA グループ内で別々の組織に属する QA チームのメンバーなので、同じ QA と言っても働く環境や扱う製品はそれぞれ異なります。金子さんと私は PKSHA Workplace 内の QA Central というチームに所属しており、PKSHA Chatbot をはじめとした社内コミュニケーションを円滑化するためのプロダクト群の QA を担当しています。チームメンバーは現在 6 名です。

石川:私は顧客と企業の関係構築をより良くするための FAQ サポートソリューション、PKSHA FAQ などを提供する PKSHA Communication に所属しており、QA チームは私を含めて 3 名が在籍しています。
基本的なテスト実施の流れもお話します。まず、プロダクトマネージャーがお客様の要望を取りまとめ、開発チームに伝えるところからプロジェクトが始まります。それを受けて、開発チームが設計や UI/UX について検討するところから QA も参画し、情報をキャッチアップします。開発チームが開発している間はテストの設計や準備をして、リリース前の最終チェックの段階でテストを実施。品質を確認したあとは、お客様向けのドキュメントを作り、変更点や操作方法などの説明をまとめるのが一連の流れです。

金子:テスト実施の工程はどのチームもほぼ同じですが、製品によって異なる業務もあります。私と谷村さんが担っているプロダクトの一部、PKSHA Chatbot の例を挙げます。
私たちが提供している PKSHA Chatbot とは、顧客企業がそれぞれの目的に合わせたチャットボットを開発するための、いわばチャットボット開発環境です。そのため、利用目的や方針によって、各企業の活用の方向性には大きな差が出てきます。例えば、一問一答をつなげて最終的なゴールに導くパターンもあれば、大量の一問一答を愚直に作りこむパターンもあるわけです。そういった違いに応じてテストで注力するポイントが変わってきますし、ときには廃止すべき機能を見つけることもあります。ただテストを実施するだけでなく、幅広い利用ケースを見ながらより良い品質を追求するのも、私たちの腕の見せ所です。 

桜本:私は PKSHA Associates に所属し、RPA 関連のプロダクト QA を担当しています。直近の主業務としては、2023 年 3 月のリリースに向けたテストの設計/実施、テストスケジュール策定が挙げられます。また、外部のパートナーにも一部の業務を依頼しているので、その管理なども担当していますね。現在、QA を主業務とするメンバーは私ひとりなのですが、今後拡大していきたいです。

金子:ここまで話したように QA の業務はリリースに向けたテストの実施が中心ですが、品質保証のためのソフトウェア開発にも少しずつ取り組んでいます。
テストを自動化するシステムはその一例です。既存のテストツールにはユーザーの操作を再現することを得意とするものが増えています。しかし、1000 ケース以上の規模や、日々進化する SaaS に対応するとなると、テストの優先順位や前提条件の自動整備など工夫しなければならない部分が増えてきます。こうした状況にも対応できるような周辺のツールも開発すれば、より自動テストの強みを引き出せると考えております。
また、これは将来的な展望ですが、定常的にソフトウエアの状況を把握できる「品質ダッシュボード」を開発していきたいと考えています。先にお話した日々の品質保証の業務と、補足的にお話した将来的な品質保証をより良くしていくための業務の割合は、今のところ7:3といったところです。

気付きの提供、バグ発見、品質の再定義――多種多様な QA の魅力

――QA 業務の魅力はどういったところにありますか。
谷村:テスト設計ではあらゆる状況のイメージを膨らませて、疑問に思ったことをフィードバックします。「こういう動きだとどうなるんですか」と訊いてみて、「それはまだ考えていませんでした」と返ってくると、細かな仕様を決めるための気付きを投げかけられたことにうれしくなります。

桜本:そういうやりがいは確かにありますね。あと、バグが起こるところを事前に見つけられたときもうれしいです。仮説を立ててテスト設計をして、実際にテストしたら想定通りの不具合が見つかって……結果的に、システム改善に自分が役立ったと感じられる。その一連の流れに魅力を感じています。バグを見つける勘所のようなものは、前職も含め、さまざまな品質管理に関わるプロジェクトを見てきたからこそ得られたものかもしれません。

石川:「こういうエラーが起きるんだろうな」と思って実際動かしてみて、エラーが見つかると「ほら見ろ!」という気持ちになりますよね(笑)。

金子:バグを見つけるのが好きな人は、QA 業務に向いていると思いますよ!

石川:私は PKSHA FAQ の前身である OK BIZ の時代から、約 10 年間このプロダクトの QA 業務に携わってきました。その経験を振り返って感じる QA 業務の魅力を話します。
組織が未熟だった頃は、営業メンバーからの製品に関わる疑問や相談が自分に集約される時期もありました。そのぶん「おかげでお客様にいい提案ができたよ」といったフィードバックが返ってくることも多く、自分の仕事が売上や品質向上に直結することを体感しやすかったので、品質保証を担う者のやりがいを当時は強く感じました。
 今は会社やチームのレベルが上がって、体制も以前に比べて整いつつありますが、 QA チームが営業チームや開発チームに対して効率的にナレッジを共有すればするほど、より良い価値提供に貢献できることは変わりありません。これから入社する方には、そういった QA の重要性や魅力をお伝えしたいですね。

金子:実業務に近い魅力は皆さんが話してくれたので、私からは少し異なる視点から魅力をお伝えします。
そもそも“品質”の良し悪しの定義は、あいまいなものです。使いやすさ、スピード、安定性、機能性。さまざまな要素が混じったあいまいなものを明らかにしていけることに、私は魅力を感じています。このプロセスを専門用語で“品質のモデリング”と言いますが、品質を軸に製品ごとの目標とベクトルを定め、その達成のために何を優先すべきかリードしていけるのが QA の醍醐味です。
一方で、実際に開発するのはエンジニアですし、製品の方向性を決めるのはプロダクトマネージャー、さらにはお客様からのフィードバックを受け取るのはカスタマーサポートと、各職種のメンバーがそれぞれの立場から品質保証に関わっています。QA チームだけで頑張るのではなく、幅広い職種のメンバーと対話し、協力しながら進めていくところも QA 業務の魅力だと感じています。

――同じ QA 業務に携わっていても、これだけ異なる魅力を感じるものなのですね。

PKSHA には将来性のあるプロダクトと、改善できる余地のある組織があった

――皆さんはどのような経緯で PKSHA の QA チームにジョインしたのでしょうか。PKSHA に転職して日の浅い方から順にお聞きしたいです。
谷村:じつは今月(2023 年 2 月)入社したばかりなので、私から話しますね。前職では、第三者検証サービスを展開する会社で QA 業務に携わっていました。さまざまな企業の品質保証をやっていくうちに、自社サービスの品質保証に長く関わりたいという思いが芽生え、PKSHA への転職を決めたんです。ちょうど私が転職活動をしていた頃と QA Central の立ち上げ期が重なっていたので、QA 専門のチームをどう作っていくか、そして QA を社内でどう定着させていくかというテーマに関われるのが魅力的だと感じました。

桜本:私は 2022 年 12 月、PKSHA に入社しました。新卒から振り返ると、はじめに入社したのはIT業界とは全く縁のない会社で、2 社目の SIer から業界に足を踏み入れた形です。そこで幅広くエンジニアリングに携わる中でテスト案件に初めて触れ、より品質管理の知見を深めたいと感じたことがきっかけで、3 社目では第三者検証を行う会社に転職しました。2年間 QA としてのキャリアを重ね、専門的な知見をさらに活かせる場がないかと考え、PKSHA に転職することを決めました。こうして転職を重ねながら自身の専門性を QA に絞っていったのは、純粋に自分に合っていると感じたからです。QA 業務が一番楽しめましたし、強みを発揮して貢献できると実感できましたね。
 
金子:谷村さんや桜本さんと違って、QA と名のつく職種に就いたのは PKSHA が初めてです。もともとカーナビを開発する会社で組込みソフトウェアエンジニアとしてのキャリアを重ね、その中で品質の重要性を痛感したことから、技術的な知見を深めるためにソフトウエア工学という分野に足を踏み入れました。そして同社でソフトウエア工学を浸透させるポジションを担うようになったことが、品質系の専門職へとキャリアチェンジしたきっかけです。
その後転職した先ではソフトウエア工学研究部門に所属し、医療機器関連のソフトウエアの品質改善をリードするポジションに就きました。ここでは技術的な側面よりもプロジェクトマネジメントの側面からのアプローチが主軸となっており、開発が滞りなく進むよう、チーム全体がうまく回るための仕組みづくりに注力していました。
ここまでのキャリアではハードウエアに組み込むソフトウエアに関わってきたので、一度 Web サービスを作る世界も経験してみたいと思ったことが、転職活動を始めたきっかけです。転職先を決める際に重視したのは、将来性のあるプロダクトを持っていることと、組織的にもプロダクト的にも自らが開拓できるようなフェーズにあることでした。それまで PKSHA のことは全く知らなかったのですが、いざ面接で話を聞いてみると、自分にとって非常に魅力的な環境だと思えたので転職を決めました。

石川:このメンバーの中では、一番私の PKSHA 歴が長いことになりますね。キャリアを振り返ると、新卒入社で SIer に入社し、開発や設計、テストなどの業務を一通り経験しました。約 10 年間勤めたその企業が倒産したことをきっかけに、PKSHA Communication の前身となったオウケイウェイヴの製品企画部に転職しました。
製品企画という括りではあったものの、内容としては QA の礎となる業務経験をここで重ねています。このとき、Web 系のアプリケーションを開発してきた自身が、営業担当者と開発担当者の橋渡し的な役割を担うことで役に立てることがあると思いました。開発における一連のお作法がわかっているからこそ、製品理解を前提にお客様のご要望にどう対応するか考えることができるのです。
その後、事業買収という形で PKSHA Communication の一員になりましたが、携わるプロダクトは変わっていませんので、PKSHA Communicaion として歩み始めたことは、一層プロダクトを改善していくためのひとつのステップだったと受け止めています。

―― 4 名とも異なるバックグラウンドがあるからこそ、現 QA チームの中で発揮できる強みがあるのかもしれない、と感じました。
金子:そうですね。私は QA と呼ばれる方々の中では開発系のエンジニアリングやソフトウェア工学について比較的得意な方だと思うのですが、じつはバグを見つけること自体はそれほど得意ではありません。前職で、テスト業務が得意なメンバーと一定時間でいくつバグを見つけられるか競争したことがあるのですが、私が 2 件、そのメンバーが 50 件で……専門性の違いを痛感しました。

一同:(笑)。

――もしも谷村さんと金子さんがその勝負をしたら……?
金子:惨敗すると思います(笑)。

谷村:逆に、これで負けたら私はどうしたらいいのか……(笑)。

―― PKSHA の QA チームは、それぞれ異なる強みを持って、補い合いながらより良いチームをめざしている、とも言えそうですね。

品質保証のための“すべて”を担う QA チームをめざして、新たなメンバーを求む

――今後 QA チームにはどのような人に入社してほしいですか?
谷村:積極性のある方に来ていただきたいです。さまざまなチームとコミュニケーションを取っていくことや、日進月歩で変化する製品の状況をキャッチアップしていくことに対して積極性を発揮してくれる方でしたら、きっとこの環境で活躍できると思います。

桜本:経験という観点では、なんらかのテストの計画を立てたことがある、あるいはスケジュールを組んだことがあるという方は、PKSHA Associates では特にその経験を活かせるでしょう。

石川:二人と同じ意見ですが、個人的にはコミュニケーション能力を重視したいな、と考えています。例えばビジネスサイドのメンバー向けに勉強会を実施するような機会もありまして、他部署との会話がスムーズにできるだけでなく、その輪に溶け込める能力はかなり大切だと思います。どんなにスキルが高くても、孤立してしまうとその力を発揮できません。

谷村:そうですね。コミュニケーションという点で補足すると、自分の疑問や不安をしっかり口に出してくれる人だと、私たちとしても安心できるかもしれません。

金子:求める人材像を一言で括るのはとても難しいのですが、しいて言えば学んでいく姿勢は重要かもしれません。というのも、QA に求められる知識やスキルはじつに幅広いので、状況に応じてエンジニアリング、コミュニケーション、コンサルテーション、マーケティングといったさまざまな領域の知見を学んでいく必要があるからです。入社する時点でこれらのスキルをすべて備えた人材は、まずいませんから。

一同:いないですね……。

――最後に、候補者へのメッセージとして、皆さんが思う QA とは何かを教えてください。また、今後の展望もあればお聞きしたいです。
石川:営業のメンバーは、不良品を売っているとは思っていません。一方で、その“当たり前”の品質を担保するのはじつは大変なことで、さらに製品の魅力に磨きをかけていく必要もあります。その責務を担うのが QA だと胸に刻みながら、日々のテストや操作改善といった地道な仕事に励んでいます。

谷村:私たちは実際に開発業務に携わるわけではありませんが、誰よりも早くリリースする前の製品に触れ、ユーザーの視点を持ちながらより良い製品をめざしています。それが、QA ならではの楽しさだと思います。今後の展望としては、自動化により注力していきたいと思うので、そこに対する知見の深い方にはぜひジョインしていただきたいです。

桜本:“QA” や“品質管理”という言葉からは、テストの設計や実施といった業務をイメージしやすいのですが、実際は組織づくりやプロセス改善といったスコープでも活躍できる職種です。特に現在の PKSHA はグループ全体が成長期にあり、組織拡充が進んでいる最中なので、そういった環境下で組織改善に取り組んでみたい方はとても良い経験ができると思います。

金子:QA の定義には、大きく分けて 2 つの流派があると説明する文献があります。ひとつは ISO9000 という品質マネジメントの国際規格に則り、仕様通りであることのエビデンスを見せる活動というもの。そしてもうひとつは、トータルクオリティマネジメント(TQM)という日本発祥のコンセプトに基づき、お客様が安心して使える製品やサービスを提供するためのすべての活動であるというものです。
PKSHA ではテストについては前者のような仕様確認が主である一方、後者のマインドを持つ人もいるというのが現状と捉えています。私は後者の考え方に強く影響を受けているので、今後の展望としては、より後者に近い役割を担える QA チームへと進化していきたいと考えています。
エンジニアやプロダクトマネージャー、さらにはビジネスサイドや CX に関わる職種のメンバーまで含め、それぞれが最終的な品質に対してどういった関わり方をするのか考えていきたいですし、そもそも目標とする品質は妥当なのか、最適な QA の在り方とはどうあるべきかなどを PKSHA 全体で議論していきたいです。

そういった広義における QA を追求していくチームをめざしていますので、私たちの組織や QA の仕事に興味を持った方は、ぜひ共に働きましょう。