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「技術×社会」の交点で、異色のバックグラウンドを活かして社会実装に挑む

「未来のソフトウェアを形にする」をミッションに掲げ、AI SaaSの提供を通じて業界のコミュニケーション領域の課題を解決するPKSHA Technology(パークシャテクノロジー、以下PKSHA)。

エコノミストとして経験を重ね、MBA取得を経てPKSHAのアルゴリズムエンジニアになった富田 晃弘さんは「文系の私だからこそ、複眼的思考を活かした活躍ができている」と語ります。富田さんが社会実装と自律的な働き方を求めて、転職後に得たものとは。入社後に感じるPKSHAの魅力について聞きました。

富田 晃弘(PKSHA Technology アルゴリズムエンジニア)
東京大学法学部卒・ミシガン大学MBA修了。Kaggle Competitions Grandmaster。
日本銀行ではエコノミストとして日本経済・金融政策関連の分析に従事。その後PKSHAに参画し、予測・因果推論のアルゴリズムを中心に幅広く社会実装を手掛ける。

自律的に働ける環境と社会実装を求めて日銀からPKSHAに転職

――PKSHAに入社する前のキャリアについて教えてください。

私は東大法学部を卒業し、新卒で日本銀行に入社して8年ほど働きました。日銀ではエコノミストとして、統計学や計量経済学を用いて日本経済や金融市場の調査・分析を担当し、国会対応なども経験しています。そして在籍中にアメリカ・ミシガン大学に社費留学し、MBAを取得したほか、データサイエンスについても学びました。

――転職しようと思ったきっかけは何ですか。
 
留学から帰国後は、企画局という部署で金融政策の立案に携わったのですが、仕事に対する社会的意義は感じつつも、組織が変化に対応できないことに違和感を覚えるようになりました。例えばリモートワーク促進を進言しても、前例を重視する大きな組織では、フレキシブルに取り入れられることはありませんでした。

また、自分が分析した内容が世の中に影響を与えていると感じづらいことにも、もどかしさを感じていました。組織構造上プロアクティブな行動を求められていなかったことも、キャリアを重ねるなかで実感したことです。

人間は置かれた環境に順応していくものなので、何十年もかけて現状の組織を改革するよりも、環境自体を変えるほうが良いと考えて転職を決意しました。

――その中で、PKSHAにはどのような点で惹かれましたか。
転職活動の軸に置いたのは、自律的に働けること、社会実装に直接携われることです。責任と引き換えに自由度の高い働き方をしたかったので、大企業よりもベンチャーが良さそうだと考えました。

MBAでの経験を活かしてコンサルティング・ファームで働く道もありましたが、社会に変化を起こせるものを作りたかったので、ダイレクトに社会実装していけるPKSHAに魅力を感じました。

――日銀ではエコノミストでしたが、PKSHAではアルゴリズムエンジニアになられています。このキャリアチェンジについて、転職時に思うことはありましたか。

PKSHAにはアルゴリズムエンジニアの枠で応募しましたが、正直私自身はエンジニアにキャリアチェンジした意識はありません。もちろん社会実装に必要なエンジニアリングスキルを新たに身につける必要はありましたが、仕事の本質は変わっていないんです。

例えるなら、データは食材で、アルゴリズムやモデルは調理器具や施設・設備。そして私はレシピを考えて調理する料理人で、クライアントは食事にきたお客様です。こうして置き換えると、調理器具が変わっても料理を作って振るまう行為には変わりありません。

ただ、強いて言うのであれば、お決まりの食材と器具で常連客に決まったメニューを作るよりも、いろいろな食材と新しい調理器具でまだ世の中にない料理を作り、舌の肥えた人たちをも満足させたい。そんな期待を持ってPKSHAに入社しました。

技術と社会の架け橋となり、イノベーションを起こす

――現在アルゴリズムエンジニアとして担っている役割を教えてください。

PKSHAではAI Solution事業本部に所属し、アルゴリズムエンジニアとして機械学習・数理最適化等を用いたアルゴリズム開発をしています。アルゴリズムエンジニアとしては様々なデータを扱い、小売業、金融業、製造業と幅広い業界のお客様に対して価格や需要の予測、マーケティング効果の推計、顧客行動の予測を行うのが私の主な役割です。

前職でもマクロ経済に関する調査・分析でデータを扱っていましたが、PKSHAで扱うデータはそれと比べるとお客様の現場に近いものばかりです。また、アウトプットも机上の話ではなく、業務改善や収益拡大につながる方法を考えなくてはいけません。非常にチャレンジングですし、守備範囲が広がったと感じています。

――どんな気持ちでプロジェクトに向き合っているのでしょうか?

PKSHA Technologyのビジョンは「人とソフトウエアの共進化」です。私自身も、技術とは人間との交わりの中で使われていくものだと考えています。そのため、常に意識しているのは「私たちの技術がどんなふうに社会を変えていけるのか」という課題です。

最近は「ChatGPT」で使われている「GPT-4」のような大規模な言語モデルが話題になっていますよね。こうしたディープラーニングアルゴリズムによって、私たちの社会はどう変わっていくのだろう、といつも使いながら想像を巡らせています。

AIは現状“高性能なおもちゃ”のようなもので、一定のリテラシーがある人なら扱うこと自体はさほど難しくありません。しかし、そこから社会を変えるイノベーションを起こすまでには大きな隔たりがあります。その隔たりに橋を架けることが、私たちのチームのミッションです。

――入社後に新しく始めたことはありますか?

PKSHAに入ってから世界最大のデータサイエンスコンペティション「Kaggle(カグル)」に挑戦し始め、約2年で最高位であるGrandmaster(グランドマスター)の称号を手にすることができました。

このKaggleに挑戦する人たちのことをKagglerと呼びます。私はエンジニア出身ではないので、「アルゴリズムエンジニアという肩書きではあるけれど、実際はグラフを描けるだけの分析屋だろう」という偏見を跳ね返したくてKagglerになりました。もちろん、自己研鑽のためでもあります。

社内には優秀なKagglerが何人か在籍しており、コンペでは彼らとチームを組んでアイデアを持ち寄りました。優秀な仲間とアイデアを練り上げていく過程は非常に学びが多かったです。創造性のある仕事をしていると必ず行き詰まる瞬間がありますが、そういうときに気軽に相談できる人が常に近くにいたのは良かったです。

PKSHAにはラーニングマシンスピリット、すなわち社会実装を通じて自らをアップデートし続けるというカルチャーが根付いています。「自分だけが良くなればいい」という考えがなく、お互いに学び合い、称え合うカルチャーが浸透しているので、僻みや足の引っ張り合いとは無縁の環境です。

先ほど「人間は置かれた環境に順応していくもの」とお話しましたが、環境を変えたことで自分の考え方が良いほうに変わっていったのを実感しています。

理系でなくても活躍できる、多様性のあるチーム

――PKSHAに入社して成長できたことを教えてください。

まずスキル面では、データサイエンスや機械学習の実力が飛躍的に向上したと思います。PKSHAの環境やカルチャーのおかげで、文系出身にも関わらず2年足らずでKaggle Grandmasterになれたのは、その象徴でもありますね。

マインド面では、社会実装をより強く意識するようになりました。前職がパブリックセクターだったので、社会に対する意識は持っているつもりでしたが、振り返ってみると、当時は分析したり課題を発見したりするだけで満足していた気がします。今は、さらにその先の「ずっと使われ、進化していくもの」を作れないと物足りないですね。自分が満足できるレベルが上がったのだと感じています。

もう一つ、前職は前例踏襲主義の環境下で思考停止しやすかったのですが、今はゼロベースで自分が良い前例にならなくてはという意識を持つようになりました。PKSHAの環境が良い方向にマインドを変えてくれた感覚です。

――バックグラウンドが活きたと思うことはありますか?

これまで本はたくさん読んでいますし、MBAでストーリーテリングの場数は踏んでいると自負しています。現在はアルゴリズムエンジニアという肩書きではありますが、Biz Devの方々と一緒にクライアントフェイシングも行っているので、技術とビジネスの脳を切り替えながらコンテンツを作ることが多いです。

経験豊富なBiz Devのメンバーでも技術のすべてがわかっているわけではなく、一方で突出したスキルを持つエンジニアでも技術が社会やビジネスに与える影響を正確に理解できるわけではありません。いずれも専門分野に対して詳しすぎると、もう一方の理解度を忘れがちですが、両方を見た事がある私だからこそ、他の人とは違う角度から提供価値の整理ができます。

理系出身のエンジニアは技術を基点に社会や人間に向き合う傾向があると思いますが、文系の私は逆に社会や人間を基点に技術を捉える癖が染み付いています。他のチームメンバーと異なる視点や発想を持ち込むことで、チーム全体の視野が広がると考えています。

求めるのは、技術と社会をつなげていく意欲と共進化

――転職を検討している人に「PKSHAだからできること」を教えてください。

PKSHAは、AI SaaSとAIソリューションの両方を高いレベルで実現し、提供している企業です。純粋な研究開発においてはGoogleやOpenAIなど先行する企業があることは謙虚に認める必要がありますが、プロダクト開発とソリューションづくりの両方に関われるのは、PKSHAならではと言えるのではないでしょうか。

私は、世の中のイノベーションは「技術×社会」でできていると考えます。PKSHAはこの「技術×社会」の掛け算の部分に直接触れる機会が非常に多いです。技術を社会に届ける関わり方もあれば、社会が求めているものを技術で作り上げる関わり方もあるので、技術と社会が交わる場に立ちたい人にとっては、非常に魅力的な環境だと思います。

――共に働きたい人材像について教えてください。

技術と社会をつなぎたい意欲とラーニングマシンスピリットさえあれば、業界経験がなくても問題ありません。PKSHAにはお互いに学び合い、自らをアップデートし続けるカルチャーがあるので、高い次元で思考する力、学習する力がある人を強く求めています。

機械学習は生じた誤差を認識し、学習することでその誤差を減らしていくわけですが、私は人間が学ぶ工程もこれと同じだと考えています。失敗をしないことが良いわけでなく、失敗をしたときに周りからのフィードバックを素直に受け止めて、自分を変えていけるかどうかが重要です。ですから、受け身で待つのではなく、主体的かつ自律的に考えながら行動ができる人であれば、きっとPKSHAで活躍できるでしょう。

――最後に、候補者の方にメッセージをお願いします。

転職は築き上げた経験や人間関係を手放すことでもあるので、怖くて当然です。しかし、行動を起こさず不満足な環境で過ごすには、人生は長すぎます。私が転職したのは30歳のときでしたが、もっと早く行動していればよかったと少し後悔しています。今いる池が自分には狭すぎると感じるなら、広い海に漕ぎ出していくべきではないでしょうか。

PKSHAには優秀な理系出身者しかいないと思われるかもしれませんが、私のように複数の強みを掛け合わせることで価値を発揮できているメンバーもいます。それぞれの長所が活きるようなチーム体制を組んでいるので、自信を持ってチャレンジしてください。

―INFORMATION―
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