「技術領域」と「関わる業界」の二軸から広げられるキャリアパスの可能性と学びの質量
エンタープライズを中心に、AI SaaS製品の提供を通して企業の課題解決を支援するPKSHA Workplace(パークシャワークプレイス、以下PKSHA)。海外の大学院で機械学習に出合ったことがきっかけで、同社にソフトウエアエンジニアとして入社した加藤宏志さんは、プロダクト開発のみならず、新プロダクトの探索や自社製品のドッグフーディング(※)などさまざまな業務に携わっています。PKSHAに入って「より技術の勉強をするようになった」と語る加藤さんに、これまでの歩みやPKSHAで働く魅力について聞きました。
(※ドッグフーディング:自社製品を社内で日常的に利用すること)
大学院で学んだ機械学習に興味を持ち、社会実装に取り組みたいとPKSHAへ
――PKSHAに入社する前のキャリアを教えてください。
新卒で入社したのは、大手コンサルティングファームです。学生の時にインターンしていた企業の創業者の方が、システム構築に従事できる、幅広い業界に関われると話していたことが入社の決め手となりました。入社後は金融業界の企業に対して、投資信託などを管理するシステムを構築したり、お客様と話しながら仕様を細かく決めたりしていました。
2年ほど働いたのち、転職したのはeギフトサービスを展開する会社です。学生時代この会社でソフトウエアエンジニアのインターンをしていたので、「うちに戻ってこない?」と声をかけていただいたことが転職のきっかけです。
入社後は、toB向けシステムのソフトウエアエンジニアとしてSaaSのプロダクト開発に携わりました。ここでもコードを書くだけでなく、お客様と仕様の調整をしたり、組織作りに関わったり、ときには人事のメンバーと人事評価制度を作ったりと幅広い業務を経験しました。
――その後、海外の大学院へ進学されたとのことですが、どんな理由があったのですか。
まずあるのは、前職が一区切りしたタイミングだったという点です。入社時に10人以下だった社員は、私が退職する頃には200人規模となっていました。目標としていた上場もできたことで達成感を覚え、次のステップを考えるようになったんです。
もうひとつの理由は、ソフトウエア開発をアカデミックな側面から学んでみたいと思ったことです。ソフトウエアエンジニアとして常にビジネスを意識しながら開発に取り組んできましたが、開発技術が生まれたアカデミアの領域にも一度触れてみたいという思いがありました。
――大学院での経験を通してどんなことを感じたのでしょうか。
見える景色が大きく変わりました。というのも、すべての授業で機械学習や自然言語処理の学習が求められ、それらを扱えないことには単位が取れないような状況でした。例えば、バイオロジーの授業では、機械学習の技術を使って画像からがんの早期発見傾向を抽出するといったテーマを扱っていました。ここで学んだことや機械学習に対して感じたおもしろさが、帰国後のキャリア選択にもつながっていきました。
――帰国後、PKSHAに入社した経緯を教えてください。
英語と機械学習の技術を使える環境を求めて転職活動をしていくなかで、英語よりも機械学習への想いが高まっていくと同時に、技術について研究するよりも社会実装に取り組みたいと思うようになりました。そのとき転職エージェントに紹介してもらったのが、PKSHAです。AIという最先端の技術領域を扱いながらも、地に足のついた堅実な事業を展開していると感じました。また、面接を通じて技術的にかなり深い話ができることも分かって、この人たちと働きたいと思ったことが入社の決め手になりました。
職種や領域にとらわれず、プロダクトの意義を感じながら開発に取り組める
――PKSHAに入社後はどのような業務に携わっているのですか。
PKSHAの事業には3つのレイヤーがあります。まずアルゴリズムの研究開発を行うR&D(Layer0)、次に企業の個別課題を解決するAI Solution(Layer1)、そして業界の共通課題を解決し、社会実装を進めるAI SaaS(Layer2)。その中で私が在籍するのは、AI SaaSのプロダクトを開発する部隊です。
現在は、社内の人事や労務などの問い合わせに対してチャットボットが自動で返答する「PKSHA AIヘルプデスク」に携わっています。担当しているのは、RAG(Retrieval-Augmented Generation)を使ったドキュメント型チャットボットの周辺機能の開発です。RAGとは、大規模言語モデルに信頼度の高い外部情報の検索を組み合わせた技術のことで、例えば、社内からの問い合わせに対して、クローズドな人事などの情報を参照してチャットボットが回答するといったことを可能にします。最近のチャットボット製品の市場ではこの機能のニーズが高いことから、注力しているところです。
――その他にはどういったことに取り組んでいるのでしょうか。
ひとつは自社プロダクトを実際に社内で日常的に使って、ユーザビリティーなどを確認するドッグフーディングに取り組んでいます。私たちはAIを使ったプロダクトを開発しているので、自分たち自身がAIを使った業務自動化や生産性向上をすることで最先端の働き方を体現することは、プロダクトの説得力を高めていくことにつながります。また、昨今は隣接領域の競合プロダクトも増えつつあり、お客様から他社製品との違いや使い分けの方法などを相談されることも珍しくありません。そういったお問い合わせに適切な案内ができるよう、新プロダクトの探索も行っています。
――そうした幅広い業務に取り組むようになったことで、得られたことはありますか。
開発だけでなく、ドッグフーディングや新プロダクトの探索にも取り組むようになったことで、自身がつくっているものの意義を感じながら開発に向き合えるようになったと感じています。単にプロダクトマネージャーの指示どおりに開発するだけでなく、プロダクトの本質的な意味や、他社製品と比べたときの提供価値まで考えるようになりました。
採用面接の際に、「エンジニアとしての職種や領域にこだわることなく、幅広く働くことができる」と言われたことが印象的だったのですが、まさにそのような働き方ができていると感じています。
周囲をリスペクトし、熱心に技術を探究するメンバーから触発
――PKSHAの魅力をお聞かせください。
まずは、事業モデルのユニークさです。前述したように、PKSHAはR&Dの部門に加えて、AI Solutionの部門、AI SaaSの部門と3つのレイヤーで構成されていますが、これらの部門を一社に擁する企業は他に見受けられないと思います。私はAI SaaSの業務にあたっていますが、もう少し技術的な部分に携わりたい、技術により詳しい人と話したいと感じた時は、他の部門のメンバーに相談することで希望が叶う環境でもあります。
あわせて、キャリアパスも広がりやすい環境です。よりアルゴリズム領域に専門性をもって働きたいと思えば、それに応じた経験を重ねるチャンスがありますし、案件を通じて関わることのできる業界も幅広いので、この両軸の広がりから幅広いキャリアを設計できると感じています。
また、一緒に働くメンバーも魅力的です。PKSHAは、周囲をリスペクトしつつ技術を探究し続けるような人たちが集う会社だと思います。自分のやりたい仕事だけをやるのではなく、そのための段取りや事前のすり合わせ、調整を欠かさない。そういった周りへの配慮をないがしろにしない人たちが多く、一緒に働いていて心地良いです。
――PKSHAで働くようになって、変化はありましたか。
以前に比べ、技術の勉強時間が増えました。周囲のメンバーがとても熱心に勉強していて、純粋に好きでやっているのが伝わってくるので、その熱量に触発されています。まさにPKSHAが掲げるバリューのひとつ、「Be Authentic for yourself 好きと得意で強化学習し、意思を育てよう」を体現しているんです。メンバーはそれぞれ自分の好きなことに向き合い、腹の底からやりたいことに集中している印象があります。「Be Authentic for yourself 好きと得意で強化学習し、意思を育てよう」を字面では理解していたつもりでしたが、実際に働いてみて初めて、肌身で感じることができました。
技術を使って社会課題を解決したいと思う人、未来のソフトウエアを作りたい人と働きたい
――今後はどんなことに取り組んでいきたいですか。
「PKSHA AIヘルプデスク」をより良いものにしていきたいです。同プロダクトはすでに市場ではトップシェアを誇りますが、今後もそれを維持し、競合製品に負けない価値を生み出していかなければと思っています。
ただし、「PKSHA AIヘルプデスク」をはじめとする機械学習や自然言語処理の技術を使ったAI SaaSは、開発の品質を高めるための最適解がまだありません。というのも、機械学習を経る処理にはランダム性があり、品質を一定に担保していくためには、一般的なSaaSとはまったく異なるアプローチをしなければならないからです。また、機械学習や自然言語処理の領域は技術のアップデートが非常に激しい世界でもあり、それらの技術をいち早く取り入れるとともに、PKSHAのプロダクトでワークするのかを常に検証し続けなければなりません。
そうした難しさを乗り越え、AI SaaSの品質向上の最適解を示していけるようになっていきたいと考えています。そして、PKSHAはそういった最適解を常に世に打ち出せる可能性が高い会社です。
日本マイクロソフトをはじめとする同領域のリーディングカンパニーと連携しており、現在は新たな大規模言語モデルの開発も進めています。国内AI領域において独自のポジションに立っているPKSHAだからこそ、難しい課題も乗り越えられると感じています。
――求める人材像を教えてください。
まず、技術を使って社会課題を解決したいと思っている人です。どうすれば技術を人や社会に役立てられるかという点に興味を持っていて、かつ、技術の発展とともに自分たちも進化していく、PKSHAのビジョンで言うところの「共進化」に共感してもらえる人に来ていただけたらと思っています。
また、「未来のソフトウエアを形にする」というミッションにも共感できる人にもぜひ来てもらいたいです。一歩先に見えるものではなく、より遠い未来において当たり前に使われているソフトウエアを作りたいと思える人や、その未来から紐解いて今どのようなソフトウエアを作ればいいのか考えられる人たちと共に働きたいですね。
――働く環境という点ではどのように感じていますか。
フットワークの軽い人が多く、コミュニケーションがとりやすいと感じています。少し話がそれますが、PKSHAは部活動も積極的に行われていて、私は入社後すぐにランニング部を作ったんです。最初は3人くらい参加してくれたら良いかなと思っていたのですが、気がつけば参加人数が20人以上になっていて(笑)。役職に関係なく、さまざまなメンバーが気軽に参加してくれていて、今は部活動メンバーと皇居ランを中心に楽しんでいます。
――最後に、この記事を読む方へメッセージをお願いします。
私自身もそうでしたが、PKSHAは研究に取り組んでいる印象が強いので、どのように活躍できるのかイメージするのが難しいかもしれません。しかし、実際に中に入ってみると、キャリアパスの幅が広いですし、困ったときには助けてくれる人も多くいて、働きやすい環境です。もちろん、技術を磨き上げていくことや、責任のある仕事を任せられることにはプレッシャーを感じることもありますが、協力してくれる仲間が沢山いるので、安心して入社いただけると思います。
―INFORMATION―
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